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Aura と Lightning Web Components の違いとは?
概要
Salesforceのフロントエンド開発フレームワークとして、Aura と Lightning Web Components(LWC)は重要な役割を果たしています。それぞれのフレームワークには異なる特徴と利点があり、開発者が要件に応じて選択する必要があります。本記事では、Aura と Lightning Web Components の違いを具体的に解説します。
1. 基本的な概要
特性 | Aura | Lightning Web Components (LWC) |
---|---|---|
登場時期 | 2014年(Salesforce1アプリとともに) | 2019年 |
基盤技術 | 独自のコンポーネントベースのフレームワーク | モダンなWeb標準技術 |
対象ユーザー | 既存のAura開発者やレガシー対応が必要な場合 | モダンで効率的な開発を目指す新規開発者 |
2. 主な違い
2.1 使用する技術
Aura: Salesforce独自のフレームワークを利用しています。HTML、JavaScript、CSSに加え、Aura独自のマークアップ(`.cmp`ファイル)を使用します。
- JavaScriptはECMAScript 5に基づいており、モダンな仕様には対応していません。
LWC: 標準のWebコンポーネント技術(Custom Elements、Shadow DOM、Templatesなど)を採用しており、HTML、JavaScript(ES6以降)、CSSで記述されます。
2.2 パフォーマンス
Aura:
- データバインディングやイベント処理がAura独自の仕組みに依存しており、追加のオーバーヘッドが発生します。
- 大規模なアプリケーションで複雑なUIを構築すると、パフォーマンスの問題が発生することがあります。
LWC:
- 標準技術に基づいているため、軽量で高速です。
- DOM操作やレンダリングがブラウザのネイティブ機能を活用しているため、Auraよりも効率的です。
2.3 開発体験
Aura:
- 宣言的なデータバインディングが特徴的ですが、コードが冗長になりがちです。
- 独自のイベント構造を理解する必要があります(`APPLICATION` と `COMPONENT` のイベントスコープ)。
LWC:
- JavaScriptによるモジュール化や再利用性が向上。
- データバインディングやイベント処理が標準技術で実現されており、開発がシンプルになります。
2.4 テンプレートの違い
Aura:
- `<aura:component>` タグを用いてコンポーネントを記述します。
- 特定のプロパティバインディングやAuraタグが必須です。
LWC:
- 標準のHTMLテンプレート(`<template>`)を用います。
- 標準HTMLに加えて、LWC専用のディレクティブ(`if:true`や`for:each`)を使用します。
2.5 サポート
Aura:
- 長年使用されてきた実績があり、既存の多くのアプリケーションがAuraで構築されています。
- ただし、SalesforceはLWCを推奨しており、Auraの新機能開発は停止しています。
LWC:
- Salesforceの推奨フレームワーク。
- モダンな標準技術を採用しているため、他のWeb開発経験がある場合に学習コストが低いです。
3. どちらを選ぶべきか?
用途 | 推奨フレームワーク |
---|---|
新規アプリケーション開発 | LWC |
既存のAuraアプリケーションのメンテナンス | Aura |
高速なパフォーマンスが必要 | LWC |
レガシーコンポーネントとの統合 | Aura |
まとめ
AuraはSalesforce独自のフレームワークとして長年使用されてきましたが、最新のWeb技術を取り入れたLWCの登場により、新規開発ではLWCが推奨されています。LWCは軽量で高速、かつ開発効率が高いため、特にモダンなアプリケーションには最適です。一方で、既存のAuraコンポーネントが多いプロジェクトでは、Auraを使い続ける必要がある場合もあります。
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